Hoodies became the uniform for sushi chef! Chip is not happy with being excluded from the team of Sushi chefs!
家主家族とお嬢さん方のお友達と開催した寿司パーティー。
ライデンではフード付きパーカーが流行っているそうです。チップはパーカーを持っていないので、いたって不機嫌そうでした。 

Hoodies became the uniform for sushi chef! Chip is not happy with being excluded from the team of Sushi chefs!
家主家族とお嬢さん方のお友達と開催した寿司パーティー。
ライデンではフード付きパーカーが流行っているそうです。チップはパーカーを持っていないので、いたって不機嫌そうでした。 

そんなに暇なわけでもないのだが、明日家主家族と開催する寿司パーティーのメニューを作っている。オランダに戻るKLMの機内から拝借した雑誌をこなごなに裁断して、コラージュを作る。こういうことをやっていると寝食を忘れる。仕事しろ、自分。
Having finished my quarantine period I am finally back in the real world, which seems so beautiful!



Quarantine Last Day: とうとう引き籠り生活の最終日。昨晩は興奮してなかなか寝付けず、今朝も5時に目が覚めてしまった。
2週間なんて余裕で乗り越えられるだろうと思って始まった引き籠り生活は、予想外に過酷だった。
家主が階下にいてなにくれとなく面倒を見てくれる屋根裏部屋暮らしではなかったら?屋根裏部屋が天井が高く、大きな窓がたくさんある環境ではなかったら?家主の家の庭でこっそりと日光浴をする機会がなかったら?今のような心地の良い季節ではなく、真冬真っ只中でヨーロッパ特有の陰鬱な天気が続いていたら?食料を通販などで確保できなかったら?オンラインで家族や友人たちと話すことができなかったら?
こうした条件の一つでも欠けていたら、もしかしたら気持ちが塞いでどうにかなっていたかもしれない。持病の不安障害と強迫障害が悪化していたかもしれない。
刻々と表情を変えていく美しい朝焼けの光景を眺めながら、2週間という時間の長さを噛み締めている。中国や他の地域で、コロナだけでなく様々な理由で身動きの取れない状況に陥っている人たちの心境がいかばかりかと想像せずにはいられない。
でも、そうした気持ちも、この朝焼けのように、私の心や記憶の中からいつしか消えてなくなってしまうのかもしれない。
そう思うと、記録せずにいられなくなった。
昨晩眠れなくなったのは、引き籠り生活から解放されることが楽しみだからだけではなかった。引き籠り生活が明けて、これまで通っていたカフェや肉屋やパン屋などライデンの様々な場所に再び訪れるようになっても、かつてと同様の居心地のよさを感じられるのだろうか。アジア系だということが明らかな風貌をしている私に対して、不安な気持ちを抱く人や、そのことを表明する人はいないだろうか。そんなことを考えたら、不安でたまらなくなった。
そうしてコロナ危機をきっかけに雪崩を打ったかのようにして世界各地で起きている出来事のことを思った。ニューヨークに住んでいる黒人の友達や、香港にいる友達のことを考えた。
今起きていることは、私にとって他人事ではない。それは友人や知人がそうした地域にいるからだけではない。フィリピン出身のアジア系で、日本国籍を持つ女性の、異性婚をしていて子供のいない43歳で、精神疾患を抱えていて、社会経験が著しく少なく、大酒飲みで、身長156cm体重48kgで鼻が低くのっぺりとした顔をしていて、東京の大学で文学などというすぐには役にも立たないことを教えている私が、オランダにいて、日本にいて、世界のどこかにいて、他者に自らの存在や自由を脅かされることがあるとしたら、そして、他者の存在や自由を脅かすようなことがあるとしたら、と考えるだけでも、それは直ちに私自身の問題なのだ

Addicted to Dutch white asparagus.
Ok, it is 1 June, today! People are celebrating reopening of restaurants and cafes. A restaurant in my neighborhood is now having a piano concert. Nice music.

百合の厚ぼったい花弁が美しくて、落ちてもそのままにしておいたら、なかなかに場所を取るようになった。それでも動かせないから、1とQの文字が打てない。

Chip, you finally came to my room after one week interval! You made my day!
I’ve noticed both you and my plant have a long tail. The plant used to be like a small green ball, but now it looks so gorgeous. Well Chip, you have also a beautiful tail, it must not have grown recently though.
朝からよいことがあった。チップが1週間ぶりに屋根裏部屋に上がってきてくれたのだ。久しぶりにチップと床でごろごろする。
ふと見上げると、部屋で育てている植物の長く伸びた葉が、動物の尻尾のように見えた。植物園の売店で買ってきたこの植物は元は小さな緑の塊のようであったのが、私が日本にいる間に家主の奥さんが大切に世話をしてくれたので、こんなに立派に成長した。青々とした見事な尻尾に惚れ惚れとする。おっと、チップ、あなたの尻尾も艶々と光っていて美しいですよ。さすがに最近はぐんぐん伸びることはないだろうけれど。

夜9時になっても穏やかな昼下がりのように明るい空の下、家主のお嬢さんたちがお友達と庭で話している。何を見ても聞いても、面白おかしく感じられる年頃である。軽やかに奏でられる木琴のような笑い声が聞こえてくる。焚き火を囲んでいるらしく、パチパチと木のはぜる音と煙の匂いが屋根裏部屋に流れてくる。
今日は一日、好きな作家の小説を読んだり、映画を見たりして過ごした。電子書籍の文字や映画の画面を映し出すラップトップコンピュータとそれを眺める私の周りを時間がゆっくりと流れていく、ような気がする。まるで私とコンピュータの周囲の時間の進む速さが外の世界とは違っているように感じられる。
外の世界でも、人や動物や植物や無機物や、それぞれの存在の周囲に時間が発生して、それらが波紋のようにして交じり合い、歪んだり、伸びたり縮んだりしながら、やがて束になって流れていく。
小さい頃に何かに夢中になる度に、しばしばそんな妄想を膨らませたものだった。だから、きっと大丈夫だと。本当は塾の宿題をやらなければならない時間に、ピアノの練習をしなければならない時間に、私は大概別のことに夢中になっていた。あとで叱られるとわかっていても、自分を止められないのだった。
そんな時に、私の周りの時間もいずれ外の世界の時間と合流する、そうなったらきっとやらないといけないと言われることもすぐにできるようになるはずだ。いつか外の世界に流れ着くためにも、今は真剣に自分の時間の流れを作り出さないといけない。そんな言い訳を考えついたわけだ。
果たして、大人になった私は、外の世界の時間に合流できたのだろうか。庭にいるはずの少女の笑い声がずっと遠くで聞こえる。

この数ヶ月、私は「老い」について考えている。つまりは、老化である。そう、老化に夢中なのだ。
足腰の筋肉の伸び縮みが長距離の移動に耐えられなくなったとか、尿意を催す頻度が格段に高くなったとか、そういう肉体の老化の諸々の現象について事細かく語り合うことは、己の肉体の各所の不備をいかに諧謔的に語れるのかという、もはや話芸の首尾、不首尾の域において一喜一憂するべき事柄になっている。
が、しかしだ。自分の身体の状態を含めた自己認識として女であるのか男であるのかという性自認の問題と同時に、他人から見てどうであるのかという他者認識の問題にかかると、事はそんなにおもしろおかしくもなくなってくるのである。
ふと思う。自分が男であると確信している人物は、老化によって、そうした自分の性自認が揺らぐことがあるのだろうかと。どうなのだろう。どうなのですか?教えてください。
つまりは、そうした性自認や他者認識という厄介な事柄は、老化という現象と切っても切り離せない問題であることに、私は遅まきながら数ヶ月前に気づいてしまい、愕然としたのだ。
紆余曲折を経て、私は、自分が女であるという性自認を得た、というか、最近になってそういう考えに至った。そういう出来立てホヤホヤの自覚が、老化という自分ではどうすることもできない現象によって脅かされているのである。これは大ごとなのだ。
私自身は、少なくとも「女」という語彙が恒久的なものではなく、「女」だと言われている存在が、そうした属性をつなぎ目としてそれほど簡単に一体感を持ち得ることはないと思っている。だとしたら、私にとって「女」という属性、記号は、どんな意味を持っているのだろう。
老いるとともに悩みは深まるばかりである。